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薬剤師として老夫婦を支えたこと

自分の薬局では患者さんのお宅に配達して、お薬の飲み方を説明する業務等を行っています。そんな業務の中で知り合うことになったAさんご夫妻とのエピソードについてお話します。

Aさんご夫妻は80代のおじいさんおばあさんで、いつも月一回通院してお薬を2人で薬局まで直接取りにきていました。奥さんの方は少し認知症が進行していましたが、旦那さんがしっかり生活を支えており、とても仲睦まじい様子がこちらにも伝わってきました。

ある日、いつもの通院の時にお薬を取りにきたのは旦那さんだけでした、不思議に思い奥さんについてたずねてみると、息苦しさを訴えて近くの病院に入院してしまったとの事でした。そして、奥さんが退院する頃にご夫妻の介護サービスを担当しているケアマネージャーさんから連絡がありました。聞くところによると「ご夫妻だけの独居生活で、奥さんの認知症が進み、いよいよ旦那さんだけで通院などの生活を支えるのが難しくなってきたので、医師の訪問診察と薬局の訪問も行って欲しい」との事でした。

奥さんの退院後、早速Aさんのご自宅へ伺いました。その時は今後のことについて旦那さんより、「薬は私が飲ませる事ができるのでそのまま渡してくれればいい」との事でしたので、その通り薬の配達と薬の内容の説明を訪問して家の玄関で行うことにしました、1ヶ月ほど経ったある日、Aさんご夫妻のケアマネージャーさんから連絡がきました、また同じように呼吸が苦しくなり入院されたとの事でした。その後、無事退院後でき、これまで通りAさんのお宅に配達にいったのですが、どうしても気になって旦那さんに「飲めていない薬有りますか?」と尋ねると、旦那さんは「いつも飲み忘れる時間帯や丸1日飲ませるのを忘れた事もある」と少し言いづらそうにしながら言いました。

奥さんは心臓を患っており、胸に水が溜まって息苦しくなってしまうので、薬でその水を出してゆく治療を行っていました。お薬をしっかり飲めていなかった為に入院してしまっていたのです。Aさんは昔、公務員をしていてとても真面目だったのですが、何でも人に頼らず完璧に自分でやらないと気が済まない性格だったため、薬局にも頼ることはしたくないとの事でした。

しかし、自分は奥さんが薬を飲めないと再び入院してしまう事を伝え時間をかけ説得を続けました。そして、ようやく奥さんの薬について飲む日と時間帯がわかりやすい様にお薬カレンダーを使ってもらうのと、訪問時に薬局がそれに薬を入れる事に同意してくれました。すると奥さんの飲み忘れはほとんどなくなりました。
ある日旦那さんから「もっと早くに頼っていればよかった、本当にありがとう」と笑顔でお礼を言っていただきました。

Aさんの家にはその後も行っており、とても温かく迎え入れてくれます。最近自分は結婚したのですが、その事を報告すると奥さんとの馴れ初めの事からどうやったら夫婦生活が上手くゆくかなどのアドバイスをしてくれたりととても楽しい時間を過ごしました。家庭があるので土日は休める職場に転職することにしたので、【薬剤師 求人 土日】Aさんご夫婦とは薬剤師と患者としてお会いすることはなくなってしまいますが、この経験を糧に、今後もしっかり薬剤師として勤めていきたいと思います。